思い出の足踏みミシン
我が家には祖母の代から現役で働いているミシンがあります。
元は足踏みミシンでしたが、ベルトの劣化もあり30年前にモーターを付け電気式に変えました。
昨年末、そのミシンの調子が悪くなり、遂に動かなくなってしまいました。
ミシン本体ではなくモーター部分の故障のようなのですが、それ以上の事は分からず、困ったな~と、いじっていると、引き出しから30年前にモーター式に改造してくれたミシン屋さんのチラシが出てきました。
流石にまだ営業しているか分からないけど、これにかけるしかない!記載されているフリーダイヤルに掛けますが全然違う会社につながりました。やっぱり無理かな・・・と、お店の電話番号にかけると繋がったのです!
事情を伝えると「〇〇さんね、30年前だったら、台帳繰ったら分かるかな」「動かないものは動かしてみましょ」と、頼もしいお言葉。
修理に来ていただけることになりました。
一級技能士 “ミシンの神様”
ミシン屋さんて、昔はあったような気もするけど、最近は見ないな~。どんなお店なんだろ?
ネットにお店の情報が出てないかと思い調べてみると、お店とご主人の写真を見付けました。どこか懐かしい雰囲気(´ー`)落ち着く~
もう少しググってみると、驚くことに地方新聞で特集記事が掲載さていたんです!(しかも修理当日の前日付)
そして、そのタイトルにびっくり!
“88歳「ミシンの神様」今も現役 灘区の一級技能士・石橋さん 愛情込めて整備・修理し61年”
※一級技能士とは、日本の職業能力開発法に基づく、高度な職業技能を持つ人材を認定する厚生労働省が認定の資格です(国が認める職人さんですね!)
え!すごっ!!凄い職人さんやん!!生で職人さんの仕事が見たい!!( ゚Д゚)←迷惑
家着から慌てて着替え、全く関係ないのに、初めから終わりまで同席しました(爆)
工具箱1つ携えて高速を運転し降臨。88歳には見えない体躯。職人さんらしい分厚くて大きな手です。
明らかに部外者が同席していますが、神様はそんな事何もおっしゃいません。早速、修理に取り掛かり、ペダルスイッチを押してモーターの音を聞き「ここまでは来とるな」と一言。
・・・ん?何?どこまで?さっぱど分からん(´ー`)
モーターを動かしながらネジを回したり油を差したりすると、あっさりとミシンが動き出しました。( ゚Д゚)ウソだろ!すごすぎる!
「モーターはこれでええな。ミシンの方はどうもないか?」と、ミシンをドライバー1本で分解。
あまりに凄い職人技は簡単そうに見えるアレです。自分でやると決してこんな風にはいかない。ひとつ調整する度に、モーターの音、ミシンの走る音が軽やかになっていきます。
正に神業!!
伏兵ベビーロックもあっさり修理
我が家にもう一台ミシンがあります。
それは「ベビーロック」。カワイイ呼び名ですが、これめちゃくちゃ複雑な仕組みでミシン以上に難解なんです。
ベビーロックは故障していないものの、不調になることもあるため調整を依頼。
「ベビーロックな。この糸は、こんなんなっとたらあかんよ。」と、ちょちょいのちょいと複雑怪奇な糸通しをしていきます(ロックミシンの糸通しはマジ鬼畜)
そして試しに端切れを縫ってみると、今まで見たことが無いくらい綺麗なロックミシンの跡!!
素人目にも違いは歴然!素晴らしい!!今までのロックミシンは何だったのか(笑)
最近のミシン事情
この頃、ミシンは修理するのではなく買い換えるのが当たり前らしいです。
確かに新しいミシンは小さくて扱いやすくできる事も増えています。
ベビーロックも我が家のように手で糸を通していくのではなく、エアーで針まで自動に糸が通るようになっているそうです。技術の進歩ですね~
ただ、私が生まれる前から家にあるミシンには思い出と愛着があって、できれば直って欲しいと思っていたので、今回、修理していただけてとても嬉しかったです。
残念なのは跡継ぎがおられないということ。時代の流れで仕方のないことなのかもしれませんが、このように素晴らしい技術が失われていくのは本当に残念です。新しくて良い物はたくさんあるけど、修理して長く使う喜びもあると思います。
修理以降、母は上機嫌でミシンを踏んでいます。とても調子が良いそうです。我が家のミシンたちは、メンテナンスをして使い続ければ更に20年30年は動くとのこと。
これからも大事にします。本当にありがとうございました!
次回:靴の修理 靴磨き&塗装⁉
よもやま話
PC関連以外のすったもんだ (´▽`)暇つぶしにどうぞ~♪
PC関連
ミニPC、PC周辺機器に関する奮闘記 (@_@)五里霧中
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